ぱぐもんのOCD日記

強迫症(強迫性障害)と生きる30代女性のいろいろ

もっとおばあちゃんに触れたかった

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私は、小さい頃からおばあちゃんと仲良しだった。週末になると、よくおばあちゃんの家に遊びに行っていた。

おばあちゃんは、80歳過ぎても1人でフランスに行ったりと、とっても元気だった。大正生まれなのに欧米文化がすごく好きで、イタリアのことも「イタリー」って言ったり、とにかくオシャレなおばあちゃんだった。だけど、私が大学進学と共に実家を離れてすぐ、駅で転んで骨折し入院した。

その入院をきっかけに認知症が始まっていき、そんなことも知らずに私はアメリカにいた。帰国する度に、おばあちゃんはどんどん痩せていっていたけど、なんとか会話はできた。アメリカにいる間、ここまで認知症が進行して、身体も弱っていっていることは知らなかった。

2014年、一時帰国のため成田空港に着いて、親が迎えに来てくれた。その時私は、前の夫と婚約していて、そのことも直接報告したかった。空港から実家に帰る途中、父の携帯が鳴った。おばあちゃんが救急車で施設から病院に運ばれた。

たまたまなのは分かっているけど、おばあちゃんが私のことを待っていてくれた気がした。病院に駆けつけてもほとんど会話はできなかったけど、手は握ることができた。「ありがとう」と言ってくれて、それから少しして、おばあちゃんは息を引きとった。

大好きなおばあちゃんにもっと触れたかったのに、そんな時までもOCDがつきまとってきて、触っても大丈夫か考えてしまっている自分がいた。とても情けなかった。棺に入ってから最後のお別れの時も、本当は何も考えずにもっと触れたかった。棺には、「絶対OCDがよくなるように、私がんばるから、天国で見守っていてね」と書いた手紙を一緒に入れた。

それから結婚したり離婚したりで色々あったけど、今こうやって少しずつ治療ができていて、おばあちゃんも見てくれているのかなって思う。今だったら、もっと触れられたのに、あの時はごめんねっておばあちゃんに言いたい。