ぱぐもんのOCD日記

強迫症(強迫性障害)と生きる30代女性のいろいろ

【Part 3】Scrupulosity - OCDによる不安と罪悪感 -

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IOCDF(国際強迫症財団)の「Scrupulosity」タウンホール、Part 3です。

以前の記事は、こちらから。

livingwithocd.hatenablog.com

livingwithocd.hatenablog.com

私のOCDは、Contamination, Harm, Pure-O, Relationship OCDなど色々な形で現れるのですが、このMoral Scrupulosityは中でも罪悪感を伴う辛い症状です。

小学生の頃からこの傾向はあった気がしますが、自分ではどうにもできないくらいになってきたのは5年ほど前からです。罪悪感が襲ってくると、正直に告白しないといけなくなったり、許されたいと思ってしまいます。

昔のことに対しても、「あの時、自分は不適切な発言をしてしまったのではないか?」とか、「失礼だったんじゃないか?」という疑念が出てきて、このような考えが頭に浮かぶと、胸が苦しくなります。それに対処するために、告白や謝罪という強迫行為が出てきます。

ちなみに、IOCDFのタウンホールは、Ethan(IOCDFのナショナルアンバサダーでOCD当事者)と専門家が、視聴者の質問に答えていく形です。

youtu.be

-Disclaimer-

※このブログで書いているOCD関連の記事は、私が読んだり聞いたりした情報を基に当事者としてまとめているだけなので、詳しいことは専門家の先生にお尋ねくださいね。

 

OCDによる不安 (anxiety) を感じることは少なくなったが、たまに強迫観念がものすごく現実味に溢れていたり、長時間に渡って罪悪感 (long-term guilt) に苛まれることがある。罪悪感にはどうやって対処したら良い?

  • 治療によって1度慣れたことでも、強迫観念がほんの少しでも違った形で出てくると、どう対処して良いか分からなくなることがある。これは、よくあること。
  • OCDが好んでしかけてくる罠は、特定の強迫観念に対する対処法(治療)を学んでも、それと少し変わった内容になると、どうして良いか分からなくなるということ。
  • "We want people with OCD to recognize the therapy is not about we're treating you for "this" thing. The therapy is about we're giving you skills to challenge however OCD might be presenting in your life."「OCDの治療を受ける上で覚えておいて欲しいことは、○○(特定の強迫観念)を治療しているのではないということ。治療は、OCDがどんな形で出てきても対処できるようなスキルを学ぶこと。」→OCDのあらゆる局面に応用できるようになる。

 

不安 (anxiety) と罪悪感 (guilt) について

  • 不安と罪悪感は、とてもよく似た感情。
  • "Anxiety is essentially guilt about future." (不安は、将来に対する罪悪感)→"I'm going to do something wrong so I'm anxious." 「何か誤ったことをしてしまうだろうから、不安だ。」
  • "Guilt is basically anxiety about the past."(罪悪感は、過去に対する不安)→"I might have done something wrong."「自分は、なにか誤ったことをしてしまったかもしれない。」
  • "They both have a quality of manipulating you into trying to solve a problem that may or may not be a problem."(両者とも、問題なのかどうか分からないことも、解決しないといけないかのように操ってくる性質がある。)→このため、罪悪感を抱く時、自分の間違いを反すう (rumination=考え続けること)して罪悪感を消そうとしたり、自分のしたことは間違いではなかったという理由を探す、またはもうその失敗を二度としないために、十分に理解しようとする。
  • このような時、反すうするのではなく、自分のattentionを「今」に持っていく(胸のあたりが重く感じる場合、胸に手をあててみるなど)。
  • "Sit with anxiety." "Take that anxiety with you."→「不安や罪悪感を感じても、何もしなくて良いんだ」と脳がwitness(証人)になってくれる。また同じような不安や罪悪感を抱いても、前ほど苦痛でなくなってくる。

 

Emotional Contamination OCDとは?

  • 自分が心の中で思ったことや感情によって、物が汚れてしまうと思うこと。悪い考えや感情を持ちながら触ったりすると、その物自体に本当に汚い物質がついてしまったかのように思う。→触れなくなる(強迫行為)
  • 違う人になってしまうのではないかという恐れ。例えば、「○○と長い時間一緒にいたら、○○のようになってしまうのでないか?」→長時間一緒に過ごさないようにする。○○が着そうな服を着ないようにするなど(強迫行為)

 

Wise Mindとは?

Ethanが "one of the most benefitial tools"と絶賛していた方法の1つ。ただ、「もちろん誰にでも有効という訳ではないと思うけど」と付け足していました。

彼の説明によると・・・

  • Logical (Rational) MindとEmotional Mindのperfect combination(私も初めて聞いたのですが・・・たぶんこのサイトのイメージを見ると分かりやすいかもしれないです)。
  • 頭の中がザワザワしていたりnoiseがあったりするけれど、その中からでも見つけ出せる自分のvalueのようなもの。→例えば、とても美味しい食事をしていて、「まだ食べ終わっていないけど、このあたりで止めておこうかな?」と感じる時。これは、とても微かな感覚だけど、自分にとって「ここで止めておくとベスト」というのが分かっている。
  • "Should I do this?" "Should I do that?"(これはするべき?あれはするべき?)という疑念がなく、"I have to do this!"(これをしないといけない!)と思える瞬間がある。→"I'm ok with the decision I've made regardless of the outcome."(結果がどうであれ、自分で決めたことだからそれで良い)と思うようになる。

このトピックの時、Patrick(専門家)に 「"Am I truly in wise mind?"(これは本当にwise mindなのだろうか?)という疑念が出てくることもあるかもね」と言われていましたが・・・苦笑。Ethanにはかなりお気に入りの方法みたいです。