ぱぐもんのOCD日記

強迫症(強迫性障害)と生きる30代女性のいろいろ

いつも悪いことばかりじゃないんだね

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人生で初めて車を売った。

結婚して全然お金がなかった時に、中古でローンして買った初めての車だった。仕事に行くにも、どこに行くにも、車がないと生活していけなかった。

そんな車を今回手放すことになった訳だけど、「Moral Scrupulosity(モラルに関する強迫症)」や「Harm OCD(加害恐怖)」がある私にとって、そんなにシンプルなことではなかった。

とにかく常に「正直でないといけない」、そして「何かを隠していることを罪悪感に思う」から、Craigslistという掲示板サイトに写真と説明を投稿する時、どの程度のところまで正直に書かないといけないか分からなかった。

私の車はうっかりぶつけて凹んでいた部分もあるし、エアコンも調子悪いし、雨降るとドアから水滴が入ってきたり、窓ガラスに傷が入っていたりと、とにかくあまり良いコンディションではなかった(もっと丁寧に扱っていたらなぁ!苦笑)。

色々ありすぎて、ここまで来るともう何がOCDなのかも分からなくなって、正直に全部書いて写真も沢山載せることにした。結果、「ここでまで正直に投稿して買ってくれる人いるの?」って思うような内容になってしまった。でも、そこまでしないと罪悪感になってしまうから、もう誰も買ってくれなかったら仕方ないとも思った。

そうしたら予想外にも、投稿してから続々と30人くらいから連絡があった。

その中から1人の女性に会って、昨日テストドライブをしてもらった。すごく気に入ってくれて、すぐに買ってくれることに決まった。

そして、その女性からこう言われた。「あなたみたいに、あんなに正直に、透明性のある投稿をしている人はなかなかいないわよ。だから、すごく感謝しているわ。"Thoughtful"でいてくれてありがとう」と。

私は、ただ自分のOCDもあって、正直に色々書かないといけなかっただけなのに、他の人からこう言ってもらえるのは、新鮮だった。

毎日OCDと生きていると、つい敵のような感じになってしまいがちだけど、OCDにも二面性があって、こうやって人に「ありがとう」と言ってもらえるようなことや、ポジティブに働いてくれることもあるんだと思って、なんだか嬉しかった。

もちろん、私は自分のしていることが病的だと思うこともよくあるし、自分の症状を苦痛に感じて辛い時もある。もっとOCDと上手く付き合っていけるようになりたい。だけど、今の私にも、OCDだからこそ出来ていることがあるのかもしれないとも思った。

だから、OCDをいつも悪者みたいな存在ではなく、「一緒に生きているんだ」と思うくらいに受け入れたら、OCDに対しても優しくできて、自分なりの付き合い方を学んでいけるのかなと思った。いつも悪いことばかりじゃないんだね、って。

自分ではなかなか気づかないから苦しいんだけど、「OCDだからこそ出来ていることもある」「OCDだからこそ人の役に立っていることもある」と、今苦しんでいる人に伝えたい。そして、それが治療のモチベーションにもなるかもしれない。