Moral Scrupulosityとは:○○しないと、自分はモラルに反するのではないか?
IOCDF(国際強迫症財団)のTown Hallで、「Moral Scrupulosity」について取り上げられていたので、今日はその動画の内容を紹介します。
私自身、このMoral Scrupulosityがあります。ちなみに、日本語だと何て呼ぶのか分かりません・・・「モラルに関する強迫症」とか?
Moral Scrupulosityってどんな強迫症?
強迫観念の例:
- 100%正直でないといけない
- ○○しないと、自分は十分に良い人間じゃない
- ○○しないと、倫理的に責任が出る
Moral Scrupulosityは、あらゆるタイプのOCDに影響しています。
例えば、
- 「火を消し忘れたら、ペットが死んでしまって自分の責任になる」→もっと確認するべき(確認強迫)
- 「手を洗わないで○○を触るのはダメだ」→○○を触る前に手を洗わないといけない(洗浄強迫)
- 「他人に汚れを移さないようにするのは、自分の責任だ」(加害恐怖や洗浄強迫)
Religious ScrupulosityとMoral Scrupulosity
Scrupulosityには「宗教に関するもの」と「モラルに関するもの」の2種類があります(両方とも共通点が多いです)。
- Religious Scrupulosity → Fear of offending God(神を冒涜することへの恐怖)
- Moral Scrupulosity → Everyone (Society) is your God(対象が全ての人や社会全体)
Moral Scrupulosityの考え方の特徴
"I have to be better to be equal to others." → 「他人よりもスタンダードを高く持っていないといけない」と思う。
例えば、
- 「他人が80%のことをするなら、自分は100%のことをしないといけない」→自分はもっと手を洗うべきなど。
"Unevenness"(不均一)であることが落ち着かない。→「何か間違いを犯したと思ったら、その分償わないといけない」と思う。そのため、自分を罰して償おうとする(これ自体が強迫行為になる)。
Moral Scrupulosityの強迫行為
- Mental Review(心の中で、過去のことを思い返したり、プレイバックする)
- Self Criticism(自分を非難したり罰する)
- Neutralization(悪いことが思い浮かんだら、良いことを考えたり、良いことを言うなど)
ポイント
- Being unsure is ok. (不確かで良い)
- Your compulsions are not making you more moral.(強迫行為が、あなたのことをもっとモラルのある人にする訳ではない)→強迫行為をすることで、少しの間は「自分は道徳的なことをしている」と思えるかもしれないけど、それは「アルコールジェルを使うことで、少しの間綺麗に感じる」のと似ている。
ERPに関しては、ケースによって変わってくると思いますが、動画では「庭に生えた雑草を取るのを罪悪感に思う」という相談が紹介されていました(この場合は、実際に雑草を取るのがエクスポージャーになる)。