ぱぐもんのOCD日記

強迫症(強迫性障害)と生きる30代女性のいろいろ

私が苦しむPure-O(純粋強迫)のパターン

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目に見える症状だけが、OCDじゃない・・・

OCDには、目に見えない強迫行為が行われていることもあります。

自分の頭の中だけで起こっているOCDなので、私も今年に入るまで自分にこのタイプのOCDがあることに気づかず、知らない間に強迫行為を繰り返し、悪化していました。

この「目に見えないOCD」の1つに、Pure-O(日本語にそのまま訳すと純粋強迫ですが、私の先生は想像型強迫と言います。想像型強迫と呼んだ方が、症状の特性を捉えている気がします)というのがあります。

自分にPure-Oがあると気づいたのは、あまりに悪い考えに悩まされることが増えたから。確かネットで "bad thoughts feel so real"とか検索して、このPure-Oの情報にたどり着きました。

私もまだPure-Oの治療をできていないのですが、ネットで見つけた情報を基に、私の症状をちょっと紹介できたらと思います。

参考

Pure-O OCD (Pure Obsessional OCD): Mental Compulsions | Steven J. Seay, Ph.D.

 

1. 特定の考えが思い浮かんだ時、なぜその考えが浮かんだのか考える (Trying to "figure out" why you're having a certain thought)

この「特定の考え」というのは、私の場合は悪い考え(またはイメージ)や、自分の中で「モラルに反する」と思っていることです。特に自分が大切に思っている人(家族や恋人など)に対して嫌な考えが思い浮かぶと、「こんなこと思うべきじゃないのに、なんで!」と心の中で焦ります。そして、考えてしまうのには理由があるんだと思い、なんでそんなことが思い浮かぶのか、納得するまで考え続けます。例えば、「本当は大切に思っていないんじゃないか?」や「本当に好きなのか?」などです。

 

2. 悪い考えを、ポジティブな考えで打ち消す (Trying to neutralize negative thoughts with positive thoughts)

この悪い考えが思い浮かぶ理由を考え始めると、最終的にたどり着くのは「自分は悪い人間だ」とか「こんな考えが思い浮かぶなんて、私はきっと許されないだろう」という考えです。

パートナーの例で言うと、自分が相手に対して今までにしたことやポジティブな発言などを思い返して「自分は悪い人間でない」という証拠を探そうとします。「こんな良い(ポジティブな)こともあったんだから、きっと大丈夫」とうっすら思うこともあるのですが(悪い考えを打ち消そうとしている行為)、「でも、○○っていうこともあったよ」と否定的なことを強迫観念が言ってきます。

 

3. 悪い考え(イメージ)を持ってしまったことに対して、「許し」を得ないといけない (Repeatedly asking for forgiveness)

上記のことが起こる(悪い考えを打ち消したいけど、打ち消しに失敗する)と、結局「自分は悪い人間」という考えに戻ります。そして、今度は「許し」を得ないといけない衝動に駆られます。そんな時、例えばパートナーに「○○という考えが思い浮かんでしまったの。こんなこと考えるなんて本当に私はひどい人間です。ごめんなさい」と告白して謝らないといけなくなります。この行為をすると少し落ち着くのですが、しばらくすると「そういえば、○○ってこともあったよ!」と強迫観念が他の悪い考えを言ってきます。そうすると、今度はそのことに対しても告白して謝り、許しを得ないといけなくなり(1つ1つ片付けていかないと気がすまなくなる)、負のループに陥ります。

少し時間が経って同じ悪い考えが思い浮かんだ時、「○○に関してはもう謝ったっけ?」と記憶をたどらないといけません。この謝罪という行為自体も本人にとっては苦痛のため、もし過去に謝罪していたことなら「もう許されたことだから謝らなくて良い」と自分の中で納得できます。そのため、記憶が確証されるまで、思い出そうとします。自分の記憶に自信が持てない場合は、また謝罪して許しを得ないといけなくなります。

告白と謝罪をしている時点では、悪い考えはリアル感満載なので、本当に自分が思ったことと感じるのですが、この後「あれは本当に自分の考えだったんだろうか?」と疑念が出てきます。そして、今度は「自分が本当にそう思っていたかも分からないのに、相手にひどいことを告白してしまった」という後悔(相手を傷つけてしまったのではないかという罪悪感)なります。そうすると、「この前○○って言ったけど、本当はそんなこと思っていないんだと思う」と相手に伝え、自分が言ったことを取り消さないといけなくなります。

※「強迫観念なのか、本当に自分が思っていることなのか、区別しようとする行為自体が強迫行為」らしいです。でも、Pure-Oを持っている私には、こう言われても未だにピンときません・・・

 

4. 強迫観念が浮かばないように、特定の状況(私の場合は言葉も含む)を避ける (Avoiding certain situations or words so that you don't have an obsession)

1-3の行程を繰り返すのは本当に辛く、エネルギーを使います。そんな苦痛を二度と味わいたくないため、「強迫観念が浮かばないようにすれば良いんだ!」と思うようになり、嫌な考えやイメージを連想させる恐れがある状況や言葉を避けるようになります(これも強迫行為なのですが・・・)

そのため、私の場合、会話中に特定の言葉を使わなかったり、ドラマなどを観ていても、嫌なイメージを連想させそうなシーンは飛ばしてしまいます。

 

この他にも、「自分は本当に○○をちゃんと理解しているのか?」とか「大切な情報が抜けていて、自分のせいで何か悪いことが起こるんじゃないか?」など、色々な強迫観念がありますが、今回はこのへんまで。記事内では抽象的に「悪い考え」と書きましたが、中には性的だったり暴力的な考えやイメージが浮かぶ人もいるみたいです。

ちなみに、私は自分にPure-Oがあるとは思っているのですが、一方で「Pure-Oじゃなくて、本当に自分が悪い人間なんじゃないの?」と思っている部分もあります。心のどこかで、「自分の悪さを病気のせいにしているんじゃないの?」という疑念があり、これまた厄介です。

Intrusive Thoughts(侵入思考)は多くの人が持っているものだと思いますが、Pure-Oがない人は、このような思考があっても流せてしまうみたいです。

自分がなんでこんなにも「ピュアな考えじゃないといけない」とか「モラルに反している考えは持つべきでない」と思っているのかは分かりませんが、もう少し落ち着いたらこのPure-Oの治療もしていきたいです。